2022.08.03

マルケ州の珠玉の街と夏のイベント

イタリア中東部、アドリア海に面するマルケ州は、ルネサンス時に花開いた芸術文化の世界遺産都市ウルビーノが有名ですが、今回はマチェラータ、アスコリ・ピチェーノ、フェルモの街とそこで開催される夏のイベントについてご案内します。

 

ウルビーノ Urbino

15 世紀、名君フェデリコ・ダ・モンテフェルトロ公がこの街をイタリア・ルネサンスの文化・芸術の中心地の一つとして確立し、芸術家、ラファエッロやブラマンテを輩出したことでも知られる街、ウルビーノ。1998年に街の中心部がユネスコの世界遺産にも登録されています。
街の一番のみどころといえるのが、ウルビーノ公国の君主に即位したフェデリコ・ダ・モンテフェルトロ公が1444 年に建設を命じたドゥカーレ宮殿Palazzo Ducale。外観の美しさや保存状態の良さ、細部に至るまで美しい装飾が施されている内観も見逃せない観光スポットで、内部は国立マルケ美術館としても運営されていて、ウルビーノ出身の巨匠ラファエロの作品「黙っている女」をはじめ、ルネッサンス絵画の輝かしいコレクションが保管されています。
ウルビーノの夏のイベント
7月;古代音楽祭Festival di musica antica   
8 月:名君を祝うお祭りフェスタ・デル・ドゥーカ(Festa del Duca)。16世紀当時の衣装を纏った人々のパレードや、コンサート・美術展示会なども同時開催
9 月: 凧祭り(Festa dell’Aquilone)

ウルビーノのドゥカーレ宮殿の眺め ©Regione Marche

マチェラータMacerata

アドリア海から約20 キロ内側にある、14 世紀に作られた城壁に囲まれた街、マチェラータ。
この街では1967 年から毎年夏、ネオクラシック様式の美しい建造物「スフェリステーリオ」を会場として野外オペラ祭、マチェラータ・オペラ・フェスティバル(今年はは7月19日から8月21日まで)が開催されています。
8月に同じくマルケ州の街、ペーザロで開催されるロッシーニ・フェスティバルとはしごをする、熱狂的なオペラファンの方も大勢いる聖地です。
他にも、マチェラータには、ルネッサンスおよびバロック時代の建造物をはじめ、価値あるモニュメント、教会、宮殿が数多く残っています。
後にパオロ三世となるアレッサンドロ・ファルネーゼ教皇特使の命により16世紀初頭に建てられた、リベルタ広場の「メルカンティの開廊」をはじめ、1774 年に貴族のための劇場として建造されたラウロ・ロッシ劇場(ラウロ・ロッシは、マチェラータ出身の音楽家)や、高さ65 メートルを誇るベルタ広場の時計の塔は、当時マチェラータが誇っていた権力と富の象徴とされ、1663 年に建てられました。
年代物自動車博物館市民博物館、市立美術館、20世紀のイタリア美術のコレクションが収蔵されている、リッチ宮殿は特にお勧めのスポットです。

マチェラータ・オペラ・フェスティバルの会場 「スフェリステーリオ」©Regione Marche

アスコリ・ピチェーノAscoli Piceno

マルケ州の南に位置するアスコリ・ピチェーノ。中世やルネッサンス時代の建築物が数多く残る街並みが印象的な街です。
街の中心部に残る歴史的建造物ほぼ全て、大理石の一種であるトラバーチンで建てられており、その芸術的かつ建築的な価値は高く評価されています。
また、街の中には当時の大鐘楼が数多く残っており、「百の塔の街」と評されることもしばしば。
観光の拠点となるのは2 つの広場で、中心部にあるのがルネッサンス様式のポポロ広場。
13世紀に建造されたカピターニ宮殿やサンフランチェスコ教会などの歴史的な建造物が集まっています。
もうひとつがカテドラーレと市役所に面する、街で最も歴史深い広場、アッリンゴ広場。
カテドラーレの地下礼拝堂では、11 世紀中ごろに作成されたとされる美しいモザイク画を鑑賞できます。
そんなアスコリ・ピチェーノでは、毎年8月の第1日曜日、中世騎士時代のシーンを再現する、文化イベント、
ジオストラ・デラ・クインターナが開催されます。メインイベントは中世時代の
自治区分である「セスティエーレ」毎に競う馬上競技レースで、当時の騎士のコスチュームを纏った走者が、八の字型に設定されたコースを馬に乗って疾走しながら、「クインターナ」と呼ばれる的の人形を槍いて回転させると獲得できるポイントで勝敗を争うというものです。
レースの前には、15世紀当時の貴族女性や騎士の艶やかな衣装に身を包んだ約1,200人が、旧市街の街を練り歩く歴史的パレードも開催されます。

アスコリ・ピチェーノのポポロ広場©Regione Marche

 

フェルモFermo

町の起源は紀元前10世紀以前の古代エトルリアまで遡る歴史深い街で、美しい砂浜・海岸が魅力的な街です。
ローマ時代以前に文明を持った「ピチェーニ族」の都市として栄えた後、紀元前3 世紀にローマの支配下に入り、その時代に建造された城壁と塔が今もまだ部分的に残っています。
街の中心をなすのは、ルネッサンス時代に築かれたポポロ広場です。細長い長方形のこの広場は丘の頂上に近くに位置しており、北側には16 世紀に建造され、現在は博物館が併設するデイ・プリオーリ宮や図書館、東西にはポルティコ(アーケード)が連なる商店、そして南側には市庁舎が立ち並びます。
フェルモにも数多くの歴史深い観光スポットがあり、マルケ州内で18 世紀に建造された絢爛豪華なアクイラ劇場、1227 年に作られたとされるロマネスク・ゴシック様式のファサードが見事に残されているフェルモ大聖堂、ジュリアーノ・ダ・リミニによるフレスコ画が残っているサン・フランチェスコ教会などは見逃せません。
そんなフェルモで年間を通じてもっとも重要なイベントが、毎年8月15日に開催される、「聖マリア・アスンタの饗宴」というイベントです。午前中は住民が聖ミサの祭典に出席し、午後は当時の貴族や騎士の衣装を纏った人々によるパレード、さらには競馬祭「パリオ」も開催されます。
夜には街中に大きなテーブルが用意され、賑やかな食事会が催されます。

フェルモのポポロ広場©Regione Marche

他にも大聖堂と広場が美しいロレートLoretoや、名君フェデリコ2世ゆかりの地イエージJesiなど、マルケ州の珠玉の街をぜひ探索してみてください。

マルケ州の観光ウェブサイト(英語)

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