2022.04.25

ジェノヴァ・バロック年!Genova,Anno del Barocco

イベリア半島のスペインやポルトガルが牽引した「新大陸」および大西洋岸の貿易を投資・金融活動で支えたジェノヴァの銀行家や商人達は、16世紀以降莫大な富を手に入れ、著名な芸術家や建築家を誘致するようになりました。その結果、ジェノヴァでは17世紀から18世紀にかけて、壮麗なバロック芸術活動が隆盛を極めたのです。そんな輝かしい時代を回顧すべく、本年は「ジェノヴァ・バロックの年」に指定され、一年を通じて多様な関連イベントが催される予定です。今回は以下2つのイベントをご紹介します。

 

◆展覧会「スーパー・バロック (Un Barocco Superbo)

本年3月からはドゥカーレ宮殿をメイン会場に、ジェノヴァの地でバロック芸術が華開いた1600年から1750年までの輝かしい時期の作品を集めた美術展「スーパー・バロック」が開催されています。展示会の名称は、16世紀後半から18世紀前半までヨーロッパ内で最強規模の経済力を誇ったジェノヴァを表現するのにしばしば使われる、イタリア語の”Superba(日本語で「尊大な」という意味)”に由来しています。

ジェノヴァにおけるバロック芸術のムーブメントは、17世紀の初頭、ジェノヴァ出身の画家・彫刻家、ジョヴァンニ・バッティスタ・パッジによって開始され、同じくジェノヴァ出身の画家アレッサンドロ・マニャスコが実験的な作品群を生み出した18世紀中盤をもって終焉をむかえたとされています。その間、著名な外国人芸術家、ルーベンス、ヴァンダイク、ピューゲットなどと、現地のアーティスト、ベルナルド・ストロッツィ、ヴァレリオ・カステッロ、ジョルジョ・デ・フェッラーリなどがその才能を競い、ジェノヴァを舞台に歴史に残る秀逸な作品を次々に生み出しました。

この展示会は、ローマのクイリナーレ宮殿で本年7月3日まで開催されている同じタイトルの展示会(「SUPERBAROCCO(スーパー・バロック)」)と連動する形で開催され、中世時代、ジェノヴァ共和国の統治拠点であったドゥカーレ宮殿をはじめ、白の宮殿、アカデミア・リグスティカ博物館、王宮など、ジェノヴァの中心街に点在する歴史的建造物を会場に展開されます。

また本年10月6日から来年の1月22日までは同じくドゥカーレ宮殿にて、フランダース出身のバロック時代の巨匠、ルーベンスの絵画展示会「ルーベンスとジェノヴァの宮殿」が開催されます。17世紀前半、金融業で繁栄し莫大な富を誇っていた当時のジェノバの有力者たちは、目を見張るような壮麗さとバロック時代の新たなセンスを取り入れた邸宅を建設し、その内装のため、ローマやフランドル地方の流行美術をはじめ様々な美術品を購入するのに熱心でした。ルーベンスのもとにも、彼らの家族の肖像画を中心に次々と大きな仕事が舞い込み、多くの作品を生み出すこととなりました。絵画の仕事をこなす傍ら、ルーベンスはジェノバの洗練された「ロッリの邸宅群」をスケッチし、これらを画集としてまとめ1622年に「ジェノバの邸宅群(”Palazzi di Genova”)」として出版しています。本年はこの出版から400年という節目の年にもあたります。展示会では、現在ジェノヴァに所在する作品に加え、ヨーロッパ各国やイタリアの他の都市からのコレクションもあわせ、150以上の作品が公開される予定です。

ロッリの邸宅はどこも豪華!

 

 

◆ロッリ・デイズ Rolli Days

16世紀、繁栄を極めたジェノヴァにて世界中から訪れる来賓客をもてなすべく、富裕貴族層の暮らす豪華な館や大邸宅を厳選し、「ロッリ」と呼ばれるリストに登録した上で迎賓館として活用された、「ロッリの邸宅群」。2006年には、うち43の邸宅が邸宅建設のため造られた新路とともに、ユネスコの世界文化遺産に登録されました。この豪奢な「ロッリの邸宅群」の一部を期間限定で一般公開するイベント、「ロッリ・デイズ」が本年も5月13日から15日にかけて開催されます。また同企画は10月の週末にも開催される予定です。

当時の繁栄ぶりを偲ぶことができる、壮麗なファサード、大邸宅群をつなぐために建設された街路(ストラーデ・ヌオーヴェ)、フレスコ画、階段、中庭、家具などを鑑賞できるほか、「ジェノヴァ・バロックの年」にちなみ、公開される邸宅内では17世紀および18世紀の芸術作品が数多く公開される予定です。

公式ウェブサイト https://www.visitgenoa.it/en/rolli

https://www.visitgenoa.it/rollidays-online

世界遺産のガリバルディ通りにはロッリ館が多数ある

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