2022.06.23

MAXXIイタリア国立21世紀美術館で刺激的な展覧会 What a Wonderful World

ローマ中心街の喧騒から少し距離を置いたローマ市の北側に位置する、イタリア国立21世紀美術館(MAXXI通称マキシ)は、2010年に開館した、イタリア初の国立現代美術館であり、また“新しいローマ”を象徴する美術館で、「曲線の女王」として知られた建築家、ザハ・ハディド設計によるものです。近くには、イタリアを代表する建築家、レンゾ・ピアノ設計のオーディトリアム(音楽公園)もあり、近年注目を集める、ローマ市民の憩い文化エリアとなっています。ローマを知り尽くした方にも新しいローマ体験ができる場所です。

そのイタリア国立21世紀美術館(MAXXI)では先月から、来場者が展示アート作品とタッチスクリーンを通じて実際に触れ合うことで得る反応や感覚を、AI(人工知能)を使ったソフトウェアを使って可視化し、作品の一環としてリアルタイムで展示するという、かつてない実験的かつ刺激的な展覧会WHAT A WONDERFUL WORLD(「何と素晴らしい世界」)を開催しています。同展示会は来年の3月12日まで開催されています。

WHAT A WONDERFUL WORLD(「何と素晴らしい世界」)では、イタリア出身のビジュアルアーティスト兼映画製作者であるローザ・バーバ、体験型・参加型のインスタレーションで知られるドイツ人アーティストのカールステン・フラー、ビデオアートと詩で知られているイギリス人アーティスト、エド・アトキンス、パリを中心に活動するスイス出身のインスタレーション作家、トーマス・ヒルシュホルンなど、現代アートシーンをリードする14人のアーティストによる大型インスタレーションが展示されています。今回の展示会のために新たに作成された作品や、国立21世紀美術館(MAXXI)が初めて入手した作品も数多く含まれています。

今回の展示会で肝要な役割を果たすのが、イタリアの民間調査機関、HER: She Loves DataがAIソフトに基づいて開発したインタラクティブな装置、「リレーショナル・デジタル・エコシステム(関係性を取り入れたデジタル生態系)」のプロトタイプです。来場者が展示作品を鑑賞し、触れ合うことで生まれる印象や感情をマッピングおよび可視化し、リアルタイムで出力することで、作品についての来場者の感想を美術館と一緒に表現することを可能にしています。
今回の展示会には、人類とテクノロジーが達成し得る偉大なる発展の可能性と、多くの課題と不確実性や対立と希望を内包しつつ、未来にむけて押し進んでいく現代社会との関係性を、若干皮肉な視点をもって示唆する、WHAT A WONDERFUL WORLD(「何と素晴らしい世界」)というタイトルがつけられています。アーティスト達の夢、希望、批評、仮説、演習が表現された作品群は、現代社会が抱える問題と、今日私達が「世界(World)」と認識している概念についての疑問を投げかけます。
WHAT A WONDERFUL WORLD(「何と素晴らしい世界」)は、美術館のガレリア1で開催されていて、毎週火曜日から木曜日までは入場料が無料となっています。

イタリア国立21世紀美術館(MAXXI)の公式ウェブサイト(英語)

展⽰作品例︓カールストン・ヘラー作「⽔族館」

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