
2021.09.24
«スピンオフ….「神曲」地獄篇 マルケ州≫
📌スピンオフ:Dante700 ダイジェストサイトでは語られなかった現地からの深掘り情報をご案内
“愛はわたしをとらえ、今もなお愛はわたしを捨てません”
地獄篇 – 第5歌
マルケ州にはこの場面の舞台となったグラダーラの他、「神曲」のなかに記載された場所があります。
それは、自然の中に周囲とは隔絶された場所のフォンテ・アヴェッラーナ修道院。
天国篇第21歌で触れられるサン・ピエール・ダミアーニ(San Pier Damiani)にちなむ場所であり、グラダーラから車で約1時間20分のところにあります。
©Regione Marche
植物園や薬局など、当時の世界をそのまま残すスポットですが、ダンテも観てその美しさにこころを踊らせたのは、教会の美しさそして、写本を含む貴重な書籍を集めた図書館です。
図書館には、活版印刷が発明された古い印刷物(1470年頃)から、19世紀のものまでおよそ2万冊の本が今も保存されています。

Fonte Avellana – La Biblioteca ©Regione Marche
そしてもう一つ、フィオレンツォーラ・ディ・フォカーラ。
アドリア海を眺めるには絶好のスポット。
©Regione Marche
トレッキングルート、サイクリングルートもあり野生のランが楽しめる自然公園(モンテ・サン・バルトーロ州立自然公園)も、「神曲」に登場する人物に関わる場所です。
©Regione Marche
その人物とは、“ファーノの街の良き2人”として地獄篇第23歌に記載された、グイード・デル・カッセロ(Guido Del Cassero)ととアンジョレッロ・ダ・カリニャーノ(Angiolello da Carignano)と解釈している文献が多いようです。
ファーノの街はこの海岸線を南に下ったところにあり、煉獄篇第5歌で出会う魂、ヤコポ・デル・カッセロ(Jacopo Del Cassero)が生まれた街でもあります。
©Regione Marche
旧市街への入口でもあるアウグストゥスの凱旋門。
Open Library – Marco Giannotta – Foto Fano
落ち着いた街並みはゆったりと街歩きをするにも最高の場所です。